公開日：2021年6月4日｜更新日： 2022年6月7日

矯正治療がおこなわれている症例

開咬とは？

開咬とは、上下の歯を噛み合せたときに歯の間に隙間ができる状態です。この状態だと、食べ物をうまく噛み切れない、発音（特にサ行）が発音しづらくなるという不具合が起こります。日本人の場合、開咬はほかの不正歯列に比べて発生率が低いとされています。

特徴として、噛み合わせないと分かりづらいため、本人や保護者が気づきにくいことが挙げられます。そのため、歯科検診やかかりつけ医の指摘ではじめて気づくというケースがほとんどです。

過蓋咬合とは？

過蓋咬合とは、噛み合わせが正常な状態に比べて深い状態です。この状態だと、上下の歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を完全に覆い隠してしまいます。

過蓋咬合の代表的な不具合としては、顎関節症の誘発が挙げられます。過蓋咬合の状態だと下顎の前方への動きが大幅に制限されるため顎関節に負担がかかり、顎関節症になりやすいのです。また、下の歯が上の歯を傾斜させてしまう、かぶせものやブリッジなどが壊れやすいといった不具合もあります。

すきっ歯（空隙歯列：くうげきしれつ）とは？

いわゆるすきっ歯は、正式には空隙歯列と言います。空隙歯列は顎が大きすぎる、もしくは歯が小さすぎることが原因で歯がまばらに生えている状態です。また、前歯2本のあいだに大きな隙間がある状態を、特に正中離開と言います。

空隙歯列があると咀嚼がうまくできなくなり食べ物がうまく噛み切れなかったり、十分に噛んですりつぶすことができなくなります。また、発音の支障、顎関節への負担といった不具合も起こります。

受け口（下顎前突症：かがくぜんとつしょう）とは？

受け口は、正式には下顎前突症と言います。上顎より下顎のほうが前に出ている状態で、症状がひどい場合には痛みを生じることもあります。下顎前突症には審美的な問題もありますが、それ以外にも食べ物をうまく飲み込めない嚥下障害などの口腔障害や、発音がしづらくなる、口を閉じにくくなるといった障害を生じることがあります。

さらに、嚥下障害によって食べ物をうまく咀嚼できなくなると、消化不良によって胃腸に負担がかかることもあり、胃腸障害を引き起こすことがあるので注意が必要です。

交叉咬合（こうさこうごう）とは？

交叉咬合とは、奥歯の噛み合わせが左右にずれている状態を言います。交叉咬合には、左右の奥歯全体がずれていることもあれば左右どちらかの歯がずれていることもあります。原因としては不十分な顎の成長、指しゃぶりや舌の癖などの悪癖のほか、遺伝的要因も挙げられます。

交叉咬合による不具合としては、正しくものを噛むことができないことによる胃腸障害、顎関節症、顔の歪みなどがあります。

叢生（そうせい）(乱杭歯、八重歯)とは？

叢生とは、歯が凸凹に生えている状態です。状態はさまざまで、大半の歯が横を向いていたり、前後に重なるように生えていることが多いです。叢生の原因としては、歯と顎のバランスが取れていないことが挙げられます。乳歯から永久歯への生え変わりの際に、顎に十分なスペースがないために、歯が後から正しく出てくることができないのです。

叢生がもたらす不具合としては、見た目の悪化、口臭の原因、虫歯・歯周病のリスクが高まるなどがあります。

上顎前突症（じょうがくぜんとつしょう）・出っ歯（でっぱ）とは？

上顎前突症とは、いわゆる出っ歯のことです。症状としては、下顎に加えて上顎が大きいために相対的に上の前歯が前に突き出している状態や、上の前歯だけが前に出ている状態があります。原因としては、生まれつきの骨格など先天的なもの、永久歯に生え変わった後に指しゃぶりをするなどの後天的なものがあります。口が閉じにくいことから、口内環境を悪化させるドライマウス（口が乾いた状態）の原因にもなるため、注意が必要です。

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